徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

京都市響第625回定期演奏会&「横山大観展」at 京都国立近代美術館

 翌朝は7時半に起床。かなり爆睡していた模様。目が覚めたところでレストランで朝食バイキング。ここのバイキングは野菜主体なので体には良さそうだが、あまりにあっさりしすぎな感はある。

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朝食バイキング

 この日もかなりの暑さ。外をうろついても体調を崩すだけなのでチェックアウト時刻の11時まで室内で過ごしてからチェックアウトする。今日の予定は2時半から京都コンサートホールで京都市響の定期演奏会。それまでに京都国立近代美術館に立ち寄ることにする。

 

昼食は東山の老舗そば屋「枡富」で

 地下鉄を東山で降りるが、もうそこは目眩のする灼熱地獄。美術館に歩いて行くだけで死にそうだ。とりあえずせめて燃料を入れておかないとヤバそうなので、美術館に行く前に昼食を先にすることにする。「枡富」に入店して「鴨せいろそばの大盛(1600円)」を注文する。

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枡富

 そばもつゆも文句なし。なかなかに美味いそばである。この暑さでもこういうそばなら食欲が湧く。価格は高めだがこれは京都の常。

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鴨せいろ

 食事を終えると美術館へ。今日が最終日ということがあってか、館内はかなりの混雑。

 

「横山大観展」 京都国立近代美術館で7/22まで

 後期になって前期と作品替えが行われているが、8割方の作品は入れ替わっており、別の展覧会といった趣。もっとも展示の流れ自体は変わっておらず、大観の同時期の別の作品に入れ替えている形。

 今回つくづく感じたのは、とにかく画風の変遷も激しければ、結構様々なタイプの絵画を手がけるなということ。最初期のかなり細かい画風から、朦朧体に変化し、その間には明らかに洋画に近い描き方をしたりなど。また己の画風を確立してからでも、勢いでサクッと描いたような絵もあったりととにかく幅広い。

 なかなかに興味深く見ることが出来た。横山大観の作品がこれだけ一堂に集まる機会もそうそうないだろうことを考えると、なかなかに貴重な体験でもあった。

 

 美術館を終えるとホールに行く前に宇治金時ドーピングで体を冷やしておくことにしたい。とにかく灼熱地獄で体が過熱しておかしくなりそうである。おつむがプスプスとオーバーヒート寸前。氷冷でもしないと熱暴走しそうだ。神宮通に「瑞庵」なる喫茶店を見つけたので立ち寄り、「宇治白玉金時(900円)」を注文。

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瑞庵

 かき氷には最近流行のふんわり系と、昔ながらのザクザク系があるが、ここのかき氷は後者。またお茶が結構濃いのはさすがに京都。平凡であるが過不足ないかき氷。氷の冷たさで生き返る気持ちである。やっぱり夏はこれに限る。

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宇治金時で生き返る

 ようやく復活したところで地下鉄で北山に移動する。ホールに着いた当初は結構空席が多かったのでさすがにこの灼熱地獄では客の入りに影響しているかと思ったが、下野のプレトーク中ぐらいから客がバラバラとやって来て、最終的には9割方の座席が埋まっていつもの通りの入りとなった。

 

京都市交響楽団 第625回定期演奏会

[指揮]下野 竜也(常任首席客演指揮者)
[Pf]野田 清隆

シューマン(野本洋介編曲):「天使の主題による変奏曲」からテーマ
尾高惇忠:ピアノ協奏曲

ブルックナー:交響曲第1番ハ短調 WAB 101(リンツ稿・ハース版)

 

 一曲目はシューマンのピアノ曲をオーケストラ用に編曲した作品。美しい曲ではあるが、演奏がややゴチャゴチャした印象を受ける。

 尾高のピアノ協奏曲はいかにも現代音楽らしくキラキラした音色が目立つ曲。しかし残念ながら私には面白いとは感じられない曲であった。

 ブルックナーの1番は後の彼の作品に通じるブルックナー節とも言うべき特徴が現れつつも、全体的に若さが漲った印象がある曲。下野がプレトークで「若気の至りで詰め込みすぎている」という類いのことを言っていたが、確かに特に両端楽章がいかにも詰め込みすぎでゴチャゴチャと落ち着きのない感がある。そのような弱点も抱えた曲なのであるが、下野はそれを適切に整理しつつ興味深く聴かせる演奏をしてきていた。京都市響の演奏にも冴えがあり、この曲に関してはなかなかの演奏であった。

 珍曲マニア・下野らしいプログラムではあったが、どうなんだろうか。評価は難しいところである。実際に尾高のピアノ協奏曲などは私も正直なところ眠くなったし、場内を見渡すとかなりの観客が完全に落ちていた。

 ブルックナーの一番ではいかにも彼らしい旋律と感じたのは第三楽章。この楽章を聴いた途端に私の頭の中では勝手に四角と三角が戦闘を始めてしまい、銀河の歴史がまた一ページになってしまった。

 

 それにしても疲れた異常な暑さが体の芯に染みてしまった印象。這々の体で帰宅したのであるが、帰ってからも妙な体のほてりとだるさは続いてしまったのである。