この日は大阪での仕事を終えるとコンサートに直行。会場のフェスティバルホールに行く前に阪急梅田の地下で天ぷら蕎麦を食べるが、これが大失敗。口当たりがパサパサなのに芯があって団子。ゆでそばを水で戻しただけじゃなかろうかというようなレベルの蕎麦で唖然。今まで店屋でこんなひどいそばを食べたことはない。どうも阪急地下の飲食店は当たりとハズレが極端な気がする。
夕食で大失敗してテンションがガックリ下がるがとりあえずホールに向かう。フェスティバルホールは7割程度の入りというところか。料金設定が高すぎることがあって、安席は完売だがS席がかなり残っている印象。3階などは前の3列ぐらいがガラガラで、その後ろの列は急に満席といった極端な配置。
ちなみに私は今回のチケットはチケットぴあの先行抽選で確保した。S席を買う金があったらフェスティバルホールの優先予約で良席を悠々確保できるのだが、そんな金の持ち合わせは毛頭なかったので、今回は最初から安席狙い。となると一般発売だと安席が瞬殺される可能性が高いとみてのあえての先行抽選。チケットぴあの先行抽選はクソ席確約(後で座席選択販売した時に売れ残りそうなところを先行抽選に回す)なので普通は使用しないが、今回は安席なので多かれ少なかれクソ席にならざるを得ないだろうと諦めた次第。その結果として当たった席は、すぐそこにホールの壁があるというクソ席中のクソ席、まさにキングオブクソ席である。さすがチケットぴあの先行抽選、侮れない。
シカゴ交響楽団
指揮:リカルド・ムーティ
ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 op.68
交響曲第2番 ニ長調 op.73
派手な金管を中心とした煌びやかなサウンドが特徴だったシカゴ響も、今では往年のサウンドとはかなり変貌してしまったというのを一番に感じる。今は安定したアンサンブルを中心に聞かせる普通の上手なオケという印象。またムーティの指揮も今ではゆったりとした巨匠テンポになっているので、ブラームスの一番についてはやや緊張感に欠けるように感じられる場面も。ゆったりと鳴らす演奏なのだが、それがどことなく単に鳴らしっぱなしに聞こえることが多々あった。この曲はもう少し手綱を締めてピシッと決めて欲しいところである。
このような現在のシカゴ響とムーティの「芸風」からすると、ブラームスの二番の方がよりしっくりとくる演奏になっていた。弦にも一番ではなかったような艶が出てきたし、安定したアンサンブルでゆったりしっかりと聴かせた。こちらの方が現在のシカゴ響の真骨頂なのであろうか。
普通に上手なオケだが、特別な魅力もなくなったなというのが正直な感想。ショルティ時代の豪快なまでの無茶苦茶なパワーに溢れていたシカゴ響が懐かしい・・・。ヨーロッパのオケはそのオケ特有の音色の伝統などがあるところが多いが、アメリカのオケは奏者や指揮者の変化で音色自身も大きく変わってしまうのだろうか。以前に聴いたフィラデルフィア管も何となく精彩がなかったし、ニューヨークフィルもかつてとはかなりイメージが変わっていたし。
みっちり仕事をした後のコンサートでかなり疲れた。明日も大阪で仕事なので今日はもう一泊することにしている。ホテルに戻った頃にはもう既に大浴場も閉まっている時間なのでやむなくそのまますぐに床につく。明日も大阪で仕事である。