徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

2017年度クラシックライブベスト5

 2017年度のクラシックコンサートの中でのベスト及びワーストです。100人いれば100の感性があり100のベスト選定があると思いますので、異論反論のある方もあるでしょうがご容赦を。

 なおあくまで私が体験したコンサートの中からの選定ですので、網羅性はありません。特に東京にだけ来日したオケなんてのはわざわざ聴きに行けない場合が大半ですので・・・。

ベストライブ

第5位
アンドリス・ネルソンス指揮 ボストン交響楽団

 パワー溢れるボストン交響楽団から、緻密で張りつめた緊張感を引き出したネルソンスの指揮が実に巧妙。またソリストギル・シャハムの熱演も記憶に残るところ。

第4位
ダニエレ・ガッティ指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

 前回の来日時にはオケの技量の高さにも関わらず、ヒメノの何を意図するか全く不明の指揮で冴えない演奏に終始したロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団だが、今回はまともな指揮者を従えて、その実力のほどを遺憾なく発揮してくれた。緻密で揺らぎのない音色はさすがの一言。

第3位
ぺトル・アルトリヒテル指揮 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

 前回の来日では、洗練されすぎていて今ひとつ印象が薄かった感があったチェコフィルだが、今回はアルトリヒテルというチェコ色が濃厚に漂う指揮者と組むことで、適度な野性味が加わった実に魅力的な演奏となった。特に定番であるドボルザークの新世界に対して、こんな演奏があったのかと驚かされたのが強烈に印象に残っている。

第2位
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮 読売日本交響楽団

 シャルク版を用いたかなり異端なブルックナーで、ブルックナーマニアなら激怒するのではというような演奏であるにも関わらず、ロジェストヴェンスキーの実演を聴かされると有無も言わせぬような説得力があった。終盤のバンダも加えての金管大斉奏には思わず鳥肌が立ってしまった。

第1位
ラドミル・エリシュカ指揮 札幌交響楽団

 エリシュカの日本最終公演。それだけに万感迫るものがあった。キリリとしたエリシュカの指揮に必死で応える札響の演奏が見事。煌びやかで迫力満点のシェエラザードは圧巻の演奏。

番外
パレルモ・マッシモ劇場

 まさに圧倒されるばかりのオペラらしいオペラ。イタリアオペラとはいかなるものかというのを体感させてくれた。

 

ワーストライブ

 これは「なぜこのライブがワーストなんだ!」という文句なんかも結構ありそうだが、あくまで私の個人的趣味による「期待はずれ」度の高いライブをあげる。

第3位
ロッセン・ゲルゴフ指揮 関西フィルハーモニー管弦楽団

 若きゲルゴフにはデュメイの急遽の代演は荷が重かったか。若気の至りというか、ゲルゴフがオケをほったらかして一人で気持ちよく突っ走ってしまったという印象。何となくかみ合わない演奏となってしまった。

第2位
サントゥ=マティアス・ロウヴァリ指揮 フィンランドタンペレフィルハーモニー管弦楽団

 若気の至りというか、ロウヴァリの指揮があまりに表情過多。そのせいで音楽の流れがぶつ切れになっていた。自然素材のシベリウス化学調味料をタップリとぶっかけられたようで、いささか胃もたれがする演奏であった。

第1位
内藤彰指揮 東京ニューシティ管弦楽団

 これはとにかくオケが下手。音色が薄い上にアンサンブルもガタガタ。また指揮者の意図も不明で、半端なピリオド奏法で貧弱な音色をさらに貧弱にしている始末。ここまでつまらないモーツァルトは昨年のベルリンシンフォニカー以来。

総評

 今まで私のこのランキングは海外オケばかりになることが多かったのだが、今年は一転してベストもワーストも日本オケということになった。今年の来日オケは平均して安定したところが多かったが、インパクトの点ではエリシュカ、ロジェストヴェンスキーといった巨匠の個性的な演奏に負けたというところがある。

 また来日オケの場合に問題になるのが辻井や龍の抱き合わせ。中には明らかに彼らとの協奏曲を流して演奏しているオケもあり、その後の交響曲と演奏レベルが段違いという場合があった。チケットを売るための工夫なのだろうが、音楽ファンからはメリットが全くなく、今後は考え直して欲しいところ。なおこれらの事情から、今後は辻井の抱き合わせコンサートはよほどの理由がない限り、パスかなるべく安い席で済ませたいと思っている。