自身の無策でコロナを蔓延させてしまって、このままでは自分やお友達の利権満載のオリンピックが開催できなくなるとパニクった安倍の意味不明のイベント禁止命令のせいで、日本中が大混乱である。昨日辺りまでは関西は比較的冷静だったのだが、東京の方で官邸の圧力によってオリンピック関連以外のあらゆるイベントが中止を余儀なくされる中、関西でも右にならえで一斉にイベントの中止が決定された。私に関係のあるところでも、2/29のエーテボリ交響楽団が中止、3/1のびわ湖ホールでのMETライブビューイングが延期、3/7のワシントンナショナル交響楽団が中止、3/8のびわ湖ホールでの「神々の黄昏」が中止と予定が滅茶苦茶である。とりあえず安倍は2週間後に「適切な対策のおかげでコロナは終息した」と根拠のない安全宣言を出してオリンピック開催に持っていこうと考えていると思われる。この社会的混乱は謂わばそのためのアリバイ作りであるのは明白である。実際にこの間に患者数が増えないよう、検査を極力受けさせないように政府が全力で妨害をしているとか。
そんな中、今日の関西フィルの定期演奏会は開催するという果断な決断。多分指揮者もソリストももう来日していてリハーサルも終わっているので、ここで中止にすると関西フィルは甚大な損害を被ることになる(ギャラは払わないわけにはいかないだろう)。それでなくても既に関西フィルは依頼公演がいくつか吹っ飛んで財政的ダメージを受けていると思われることから、これ以上の財政的ダメージは許容できないという判断だろう。そこで私の方も「開催されるなら当然出かける」という判断で出向くことにした。
仕事を早めに終えてからJRで移動するが、心なしか乗客の数が少ない気がする。大阪に到着するとホールに向かうがその途中で「やまがそば」で夕食に「そば定食」を摂る。
夕食を終えるとホールに到着する。観客は来ているが、やはり明らかに数が少ない。ザッと見たところ入りは6割程度か。特に会員席に空席が目立つ。やはり会員には高齢者も多いし、コロナを警戒しているのだろう。また今日のプログラムが結構地味プログラムということも影響はあるように感じる。
関西フィルハーモニー管弦楽団 第307回定期演奏会
[指揮]ゴロー・ベルク
[ピアノ]ダナエ・デルケン
シューマン:序曲、スケルツォとフィナーレ op.52
クララ・シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 op.7
ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 op.98
ベルクはなかなかにガンガンと鳴らさせるタイプの指揮者のようである。一曲目はいかにもシューマンというロマンティックさのある曲だが、これを管楽器を中心にガンガンと鳴らしてくる。
二曲目は嫁シューマンことクララの曲であるが、いかにも女性らしい優美さを感じさせる曲。それに対してデルケンの演奏は実にロマンティックである。旋律を謳わせる部分がかなりある甘い演奏。特に彼女の演奏はアンコール曲(実は知らない曲だったのだが、曲目をチェックしてくるのを忘れてしまった)で更なる真価を発揮していた。甘く優美な演奏である。
三曲目は関西フィルの真価が発揮されやすい弦楽セクションが美しく響く曲なのだが、ベルクはこの曲もやはり基本姿勢はガンガン鳴らしてくるというもの。これはこれでロマンティックな演奏ではある。彼はかなりノリで振ってくるところがあることも感じたのであるが、ただその演奏タイプが関西フィルのカラーとマッチしているかどうかに若干の疑問があった。関西フィルは12編成で大音量オケではないのに、やや煽りすぎの感があるので弦楽がヒステリックに聞こえる場面もあったし、管が割れて聞こえる場面も多々あった。悪いタイプの演奏ではないのだが、相性の問題を少し感じたのである。
コンサートを終えると新今宮に移動する。実は明日は大阪でMETライブビューイングを見る予定。そもそもの予定はその後にエーテボリ交響楽団のコンサートがあり、日曜はびわ湖ホールでMETライブビューイングを見るはずだったので、ホテルは2泊を予約していた。しかし急遽明日の1泊はキャンセル、さらには来週の宿泊も全面キャンセルである。ホテルの方も客が少ないようで、特にいつも大量に見かける外国人観光客の姿があからさまになくなっていた。さらにそれに輪をかけて日本人もいない。この事態が長く続けばホテルの経営も怪しくなりそうだ。喧しい外国人がいなくなるのは個人的には有り難いが、社会全体としてはそういうわけにもいかないだろう。
この日は疲れていることもあり、途中で買い込んだ夜食を腹に入れると間もなく就寝したのである。