さて四連休であるが、いよいよ東京・大阪で感染爆発が発生している状況での外出はやや抵抗のあるところ。それにも関わらず政府はGoToキャンペーンで外出を促している。「感染拡大防止のために不要不急の移動は避けつつ旅行に出てください」という意味不明の状態である。
ところで私の方なんだが、実はGoToとかは一切関係なく、最初からこの四連休は外出の予定が入っていた。そもそも23日は大阪で大フィルのコンサートがあるし、26日は京都での京都市響のコンサートである。正直なところ、一旦大阪に出て戻ってから改めて京都にまた出向くというのはかなりしんどい(先日の大阪日帰りはかなり体力的ダメージがあった)。当初の目論見では京都は新幹線で行くつもりだったが、どうも昨今の状況を見ていると新幹線も安全とは言い難いように思われる。となるとやはり車で行くしかない。と言っても大阪で宿泊することには抵抗があることから、この際に以前から考えていたプランを結合することにした。とにかく人の多いところに行くのはリスキーであるから、人のいないであろうようなところに行くに限るというわけで滋賀に宿泊することに決定したのが1ヶ月前。しかしその後にさらなる事態の悪化にGoToパニックでドタバタが発生した次第。結局は直前まで決行を悩むことになったが、結果的には万全の対策を行った上で実行することに。
昼前に家を出ると車で大阪に向かう。阪神高速は大阪に向かう側は空いているが、反対車線の方は渋滞が出来ている。どうやら大阪から外出する者が多い模様。こりゃGoToが完全に不要不急の移動を煽っていることは明らか。大丈夫かな?
途中の京橋SAで昼食を摂ることにする。感染の危険が一番高いのはやはり食事時だと考えるので、さすがに大阪で昼食を摂るのは抵抗がある。そこで大阪に入る前に昼食を摂ることにした次第。とは言うものの、SAで車を降りてみるとマスクもせずにウロウロしている者も少なくない。さすがにこれはあまりに危機感なさ過ぎ。何となく四連休明けてしばらくすると感染爆発が拡大するのは必至に思える。
昼食を終えると大阪まで移動、中之島出口で高速を降りるとAkippaで事前予約して駐車場に車を置く。開場は14時からだがそれまでに時間があるのでホール向かいの美術館に久しぶりに立ち寄る。なお今回は感染予防の意味もあって、新装備として銅を使った抗菌手袋も導入している。この手袋、薄手だから作業の邪魔をしない上に、これをつけたままスマホの操作もできるという優れものである。
「茶の湯の器と書画ー香雪美術館所蔵優品選」中之島香雪美術館で8/30まで
同美術館が所蔵する茶の湯絡みの器などを展示した展覧会。楽茶碗なども多数展示されていたが、私が一番興味を感じたのは茶入。形態といい模様といいなかなかに面白いものが多数あった。
茶碗類の展示も多数。黒楽茶碗などの類もあったが、よく見る光沢のある釉薬の物でなく、マットな仕上げになっている茶碗もあり、こんなものもあったのかと驚いた次第。また朝鮮製の飯用茶碗なんかも茶器に流用されたとのことで、そのような椀の展示もあるが、正直なところ茶を入れるより飯を入れたくなる。当時の茶の湯がかなり自由な精神で行われていたことが感じられた。
美術館の見学を終えると向かいのフェスティバルホールへ。コロナの中というのに結構な人数が来ている。ホールの方は厳戒態勢だが、年齢層が年齢層だけに万が一集団感染でも起こったら人死にが出る(なんて言っている私自身も高危険性群に含まれる)。そんなことになれば、全国でコンサートが実施不可能になるだろうから慎重にならざるを得ない。
ステージの方にはモーツァルト用の12型のオケがセッティングされている。ソーシャルディスタンスを置いて楽譜台は1プルトに2台だが、これをブルックナーの際には16型まで拡張するそうだ。ここまで拡張できたら合唱付きはまだ無理だが、マーラーの合唱なしの交響曲なら演奏可能。ようやく大フィルもフル活動を開始ということになる。
大阪フィルハーモニー交響楽団 第540回定期演奏会
指揮:飯守泰次郎
モーツァルト交響曲第35番「ハフナー」
ブルックナー交響曲第6番
最初は12型でのモーツァルト。正直なところややまとまりに欠ける感のある演奏である。飯守は統制を効かせるタイプの指揮者ではないので、オケは豪快に鳴っているのだが、豪快すぎてやや金管が前に飛び出しすぎたブラスバンド状態。そのために非常に元気はあるのだが、モーツァルトとしては「?」なところのあった演奏。
次は16型に拡張してのブルックナー。大フィル通常編成に完全復帰である。やはり金管がかなり過剰気味にガンガン鳴るのであるが、今度は弦楽の方が拡張されているのが功を奏して、先程のように金管だけが聞こえてくると言う状況は改善されている。第一楽章は金管中心でかなり元気にガンガン行って、第二楽章は弦楽中心でなかなかに美しい演奏。大規模弦楽陣もなかなかにまとまってシッカリと聞かせている。
飯守のあまり統制をかけない指揮は、この曲の場合にはそれが幸いしてキラキラと華やかであって威勢の良い演奏になった。また曲の方もブルックナーにしてはかなり派手目の曲調であることからこういうタイプの演奏がぴったりとはまる。久しぶりに大編成のオケの威力を堪能したのである。
コンサートを終えると今日の宿泊地の彦根に移動することにする。今日宿泊するのはルートイン彦根。私が到着した時点では既にかなり多くの車がやって来ていた。駐車場はほぼ一杯。やっぱりGoToで観光客が増えてるな・・・。大丈夫か?
テレビをつけたら感染者数が過去最多とのニュースが走っている。気になるのは滋賀が二桁にのって過去最多を更新したということ。もう少し時差があると考えていたのだが、予想以上に同時多発的に発生しているようだ。特にもう東京は全域に広がっており、東京自体をロックダウンする必要が出ているのではと思える。
さて夕食を摂る必要があるのだが、このホテル周辺は国道沿いのチェーン店ばかりというのが、実はこのホテルの一番難儀な点。と言っても遠くまで出かける気力もなく、結局はくら寿司で夕食を済ませることに。安直だな・・・。
この日は立て続けの長距離ドライブのせいもあって疲労がかなり強いので、風呂を済ませると早めに就寝したのだった。