徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

大フィルのチャイコチクルスを聴きに行く

灼熱地獄・コロナ地獄の大阪へ

 今日は大阪フィルのチャイコチクルスのために大阪に出向くことになった。そもそも大フィルのチャイコチクルスはチャイコの交響曲6曲を2曲ずつ3回に渡って全曲公演するというもので、1+4,2+5,3+6というように、初期交響曲と人気の後期交響曲をカップリングしてあった。そして第1回はこの春、そして第2回が夏の予定だったんだが、第1回は秋以降にとんでしまい、今回の第2回が初回公演となってしまった次第。

 ただ大阪はイソジン知事の無策が祟って完全に感染爆発が起こっている状態。今や人口比で考えると東京をも越える感染地帯になっている。そこに乗り込むのはそれ相応の用意が必要。と言うわけでとにかく私が感染の一番の危険要因と確信している鉄道での移動を避けて、大阪まではるばる車で出向くこととした。例によって駐車場はAkippaで確保している。それにしてもコロナのせいで車移動が多くなったので、ガソリン代、高速道路代、駐車場代がボディブローのように私の財政を苦しめている。特に日本ではこれらの料金は政治の駄目さのせいで世界的に類を見ないほどのボッタクリになっているから、経済的なダメージは大きい。

 昼頃に家を出ると大阪に向かって突っ走る。例によって阪神高速は走りにくくて異常に疲れる道路である。かなり疲れを自覚した状態で大阪に到着して駐車場に車を入れたのは1時前。開演は午後3時からなのでそれまでに昼食を摂る必要がある。

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フェスティバルホール周辺も灼熱地獄

 それにしても暑い。こうなるとミネラル麦茶がライフライン。とりあえずこの状況下で長時間表を歩くのは命取り。さっさと建物内に逃げ込み、昼食はフェスティバルタワーの地下で取ることにしようと考えるが、半分方の店が閉店中。まあ人通りもほとんどないような状態なので仕方ないか。基本的にこの界隈はオフィス街なので土日人口は激減するが、その影響が特に露骨なようである。まあ通勤ででもなかったら、このご時世にこの界隈にわざわざ出かけてくる理由はない。

 

フェスティバルタワー地下で鳥取ランチ

 昼食を摂る店は「麒麟のまち」に決める。因幡・但馬地区地場産品を紹介しているアンテナショップである。しかしこの奥で地場ものランチをいただけるスペースがある。私が注文したのはハタハタなどがセットになった「きりんランチ」。ところで麒麟と言えば大河ドラマのあの人だが、あの人は鳥取とは縁がなかったはず(鳥取に縁のあるのはサルの方だが、あちらは侵略者である)。大河とは無関係か?

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麒麟のまち

 豪華さは感じないものの品数も多くてまあ普通に美味い素朴なランチ。栄養バランスも悪くなさそうだし、最近は年のせいか和食付いている私には適した内容か。ランチを終えた後はまだ開場まで時間があるので、店内でpomeraでこの原稿の執筆中(笑)。何しろ席の8割以上が空席の状態なので、こういうことをしていても回りに迷惑にならない(普通はランチタイムの店内でPCとかを広げるのは顰蹙ものだが)。

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きりんランチ

 開場時刻が近づいたところで店を出る。ホールの前に大行列が出来ているから何だと思えば、どうやら当日券購入のための行列の模様。やはりこのご時世下でライブに飢えている者も増えているようだ。私は事前にチケットを購入済み(だったので、座席変更の葉書が送られてきている)だからスムーズに入場。

 座席は相変わらず1つ置き。ステージ上には大フィルの16編成を載せている。これはステージが巨大なフェスティバルホールだから可能なこと。

 

大阪フィル・チャイコフスキー・チクルス(Ⅱ)

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広いステージに閑散配置

指揮:尾高忠明

チャイコフスキー/交響曲 第2番 ハ短調 作品17「小ロシア」
チャイコフスキー/交響曲 第5番 ホ短調 作品64

 第2番の方は、コロナ対策閑散配置が災いしてか、大フィルのアンサンブルの甘さがあちこちで目立つ。第1楽章冒頭からダーンと行かずにドッシャーンとなってしまったのが残念。その後も所々でアンサンブルの狂いによる音色の濁りなどが起こるのが気になるところ。

 尾高の指揮は比較的ゆったりと謳わせてくるもの。第1、2楽章は特にその傾向が強かった。第3楽章はサラッと流してから、第4楽章は乱痴気騒ぎ。元々の曲自体が構成の弱いところがあり、最終楽章は特にドタバタ騒ぎになってしまうのだが、それをそのまんまの大騒ぎで持ってきた。正直なところもう少し整理して聞かせて欲しいところ。

 第5番の方は尾高もオケも経験値豊富な曲だけに、演奏が一転して安定する。第1楽章からカッチリと鳴らしてきて、第2楽章はホルンソロが聴かせる。第3楽章を経て大盛り上がりの最終楽章への怒濤の展開。こちらはオケの方もしっかりとまとまって鳴らしていた。やはりこの辺りは練度の反映と言うところか。

 終演後に尾高は「かなり疲れた」という旨を語っていたが、まああれだけ激しい指揮をしたら、尾高の年齢を考えたらかなり疲れるのもやむなし。なかなかにエネルギッシュな公演であった。

 

 ちなみに本公演は映像収録し、10月頃にカーテンコールにて配信予定とのこと。コンサートを聴きに行くことの出来なかった方は、それを待つのがよろしいかと。