最大警戒で大阪に向かうことに
今日は大フィルはインバルの指揮でショスタコの10番があるとのこと。今シーズンの目玉企画の一つだが(もう一つのデュトワは中止になった)、まあ昨今の外国人入国規制でダメだろうと思っていたのだが、インバルは大阪フィルの前に都響の出演もあったことから、昨年末から既に来日していたらしい。と言うわけで大阪フィルの公演も予定通り行われることになった。
先週の京都市響はパスしたのだが、さすがにインバル登場となると万難を排しても参加したい。と言うわけで万全の注意を払った上で大阪に向かうことにした。当然のように大阪へは車で向かうのだが、ここでちょっとした落とし穴が。いつも使っている駐車場が時短営業で夜9時までとのことで使えなくなってしまったのである。そこでまずは駐車場をアキッパで確保することから始めないといけなかった。
夕食はいつものラーメンを
大阪に到着したのは公演開始の1時間ちょっと前。とりあえず公演開始までの間に「而今」で「煮干し醤油ラーメンの大盛り(1100円)」を夕食に。店内はキープディスタンスでやや閑散としていたのが、途中から客がゾロゾロとやって来た。どうもフェスティバルホールの客が多い模様。
夕食を終えるとホールへ。到着したのは開場10分後ぐらいだが、この頃はホール内は閑散としていた。しかし開演が近づくにつれて客がゾロゾロと増え、最終的な入りは5割ぐらいと言うところか。このご時世を考えると結構入っている。来るのは若者ばかりかと思っていたが、結構命知らずの高齢者も多い(私も人のことは言えんが)。
大阪フィルハーモニー交響楽団 第544回定期演奏会
指揮/エリアフ・インバル
曲目/プロコフィエフ:交響曲 第1番「古典交響曲」ニ長調 作品25
ショスタコーヴィチ:交響曲 第10番 ホ短調 作品93
一曲目のプロコフィエフから結構爆音が炸裂する。大阪フィルは12編成と小編成にしているのだが、その割にはかなりの爆音が出ている。演奏自体はキレッキレのかなり鋭い物。インバルはこの一見古典的に聞こえる曲の現代的な響きに焦点を当て、基本早めのテンポで演奏しながら、ところどころテンポ変動を付けたりなどの細工あり。第3楽章などかなりパロディ的要素があるところなどを描き出していた。
二曲目はショスタコの大曲なのだが、16編成に拡大した大阪フィルは先ほどに輪をかけての大爆音演奏でサウンドスペクタクルを展開する。しかしそこから一転してのピアニッシモの表現など、いつもに増して非常にダイナミックレンジの広い演奏を繰り広げている。基本的に先ほどのプロコと同様にキレッキレの相当にシャープな演奏となっている。
また冒頭から低弦がズシンと決めてきたりというように、爆音になっても浮ついた感じがなく地に足がついた感覚がある。おかげで、この決して私にとっては好きであるとは言い難いこの曲でも、最後まで面白く聞くことが出来たのである。この辺りはさすがにインバルである。オケのドライブの仕方が堂に入っている。オケメンもかなりノッていた様子であり、コンマスの崔氏がいつにも増して動作が大きかったのが目についた。
なかなかの名演に場内は大盛り上がりになり、最後には立ち上がって拍手する者も数人見られた。大阪フィルの定期演奏会では珍しい光景である。インバルも満足のいく演奏だったのか、にこやかに手を振っていたのが印象的。