週末コンサート連荘のために大阪へ
この週末は大阪方面でのコンサート連荘である。まず土曜日は関西フィルの定期公演。翌日はPACの定期演奏会で下野によるレニングラードである。
出発は土曜日の午前中。ホールに直行しても良いところだが、一カ所だけその前に立ち寄っておくことにする。目的地はBBプラザ美術館。年中渋滞の阪神高速は例によっての日常的渋滞だが到着予定時間が大きく遅れるほどではない。生田川ICで高速を降りると、車はBBプラザの駐車場へ。
このまま美術館へ直行と言いたいところだが、既に11時を回っているので昼食を先に済ませることにする。立ち寄ったのはここの最寄りの「洋食SAEKI」。かなり久しぶりの訪問となる。この店はいつも行列だからそれが心配だったが、私の到着時はちょうど11時の開店時刻に待ち客が全員入店した直後で行列なし。さらに幸いにもちょうどカウンター席が1つだけ空いていたのですぐに入店する。
注文は迷ったが無難に「ミックスフライランチ(1100円)」にしておく。店内はアクリル板などは立てて、換気のために入口ドアを開け放っているが、元々人気店なだけに客は多いし、客が密集している状態でのアクリル板なんてそもそも気休めにもならないので、もしコロナがいたら多分全滅だろうなということだけは少々気になる。
フライはここの看板の1つである有頭海老フライにチキンカツ、クリームコロッケ、小さなミンチカツ。以前からやや塩っぱいドレッシングだけが好みからズレることを除いては概ね良好である。マニュアル通りに有頭海老をばらして頭までしっかりと頂く。こうしていたらエピの足がこんなに香ばしくて美味いというのはこの店で始めて知った。
久しぶりの洋食ランチを終えるとBBプラザ美術館へ。
「辰野登恵子 ー身体的知覚による版表現」BBプラザ美術館で6/19まで
平面での抽象表現を追究した画家とのことで、展示作は大判の絵画作品である。本店では彼女が絵画を追究する上で取り入れたという版画による作品を展示している。
最初は具象から抽象に行った画家ということで、初期のころの作品には具象の影も残っている。
ただ彼女にとっては具象、抽象という区分は大した意味はなかったようで、版画作品などを創作しながら抽象の道を突っ走ったようである。
正直なところあまり面白いとは感じられなかったのだが、何とはなく作者が目指しているところは感じられた。
コンサート会場へと向かう
展覧会の見学を終えると今日の目的地に向かうことにする。今日のコンサートはザ・シンフォニーホールで開催されるが、土日のこのホールでのコンサートになると困るのが車の置き場である。何しろホールの駐車場は土日になると上限金額が大幅に上昇してぼったくり駐車場になるので、それが嫌なら他で探すしかないのだがそもそもこの界隈は駐車場価格が常軌を逸して異常に高い地域である。勢い、アキッパなどに頼ることになるが、それも近くの良いところには妥当な駐車場はないと来ている。今回確保したのも、ホールから徒歩で10分以上離れた民家の軒先である。家の前に自転車を止めてあるので駐車に神経を使う。
生憎の雨がぱらつき始める中をホールまでトボトボと。私も駐車場料金なんて考えずに「ああ、2000円ぐらい? まあそんなもんだろうね。」とホール近くの駐車場に車を止められる身分になりたいものだが、自民党の庶民貧困化政策のもろに直撃を食らっている以上、そんな境遇は遙か夢の夢。それとも市長にでもなって公用車で乗り付けるか。どうやら大阪は公務中に公用車でスパに通うのはOKらしいので。
ホールに到着した時には開場直前。雨がぱらついているので皆、ホールの軒先でたむろしている。それにしても毎回感じるが、コンサートに来る客の服装はまちまちだ。下は私のような見るからに小汚い服装もいるが、中には完全正装の者もいたりする。またもっと遅い時間になるとハイヤーで乗り付けるいかにもの連中もいたりする。私は早々とホールに入場すると、ロビーでこの原稿をpomeraで入力している。
関西フィルハーモニー管弦楽団 第329回定期演奏会
[指揮]藤岡幸夫
[ピアノ]渡邉康雄
[管弦楽]関西フィルハーモニー管弦楽団
松村禎三:ピアノ協奏曲 第1番
ラフマニノフ:交響曲 第3番 イ短調 op.44
一曲目は日本人作家の作品の紹介に力を入れている藤岡らしい選曲。松村禎三が50年前にNHKの委託で作曲され、野島稔の独奏、岩城宏之の指揮で初演されたという。
ピアニストは渡邉康雄。藤岡幸男が小さく見える巨漢のベテランピアニストである。何となく風貌に見覚えがと思ったら、指揮者渡邉暁雄の息子とのこと。
さて曲の方であるが、やはり現代音楽というところで捉えどころのないところはあるのだが、旋律皆無というような尖った曲ではない。キラキラと弾かれるピアノをベースにオケが音を重ねていっているような曲。正直なところ私個人としてはあまりしっくりこない曲ではあったのだが、かといって全く面白みを感じないという曲ではなかった。
後半はラフマニノフの交響曲。ラフマニノフはピアノ協奏曲も交響曲と同様で3番よりは2番の方がメジャーなのであるが、この曲もピアノ協奏曲と同様に2番よりは難解で分かりにくい曲である。曲自体はところどころ美しい旋律を秘めているのであるが、2番のようなそれが表面に出てくる感じがなく、常に埋没している感がある。やはり私の感想は「難しいな」というもの。
正直なところ、2曲とも残念ながら私の好みとは違うので、理解できて感動するというところまで行かなかったのは正直なところ。ただそれでもそこに繰り広げられた関西フィルのサウンドからは、しっとりとしたものを感じられて、その辺りは先のデュメイ効果も残っているのかななどと感じた次第。
初めてのホテルに宿泊する
コンサートを終えると車を回収して今日の宿泊ホテルへ。雨の中を駐車場までトボトボ歩く羽目になるが、やはりやや遠い。かといってまさか駐車場だけに2000円近く払う気もしない。今日の宿泊ホテルはいつもの定宿・ホテル中央オアシス・・・と言いたいところだが、今回はあえて別のホテルにしている。それはビジネスホテルみかど。風呂、トイレ共用の新今宮ではミドルクラスのホテルである。あえて私がこのホテルを選んだのは、世間でコロナがなかったことになってくるにつれて、ホテル中央オアシスの宿泊料金も通常モードに戻りつつあり、つまりは本来の高級ホテルになりつつあると言うこと。それでも月に2回程度宿泊するぐらいのペースならまあ許容範囲の料金だが、私のコンサート巡りの方も通常モードに戻りつつあり、必然的に月に5,6泊ぐらいのペースで宿泊となると、高級ホテルの宿泊料は私にはキツいという次第。そこでもう少し安価なホテルを探している。ただ問題は、この界隈は安価なホテルはいくつかあるが、事前に駐車場が確保できるホテルがほとんどないということ。そんな中で浮上したのが、ホテル中央グループのこのホテルである。
ホテル前に到着すると、駐車場はやや離れた場所にあるのでそこに案内される。ちなみにホテルの場所はオアシスの真向かい。だから私はこのホテル自体は何度も玄関までは見ているのだが、入るのは初めてである。狭いところに荷物が多いので雑然とした雰囲気はあるが、明るいし不潔な印象はない。私の宿泊するのはとなりの新館。こちらは1フロア5室で、各フロアごとにトイレとシャワーがある。
部屋に収まるととりあえずマッタリ
部屋は機能的な1ルーム。オアシスから風呂とトイレを省いた印象。ベッドは恐らく元々は二段ベッドだったのを上を外したようである。元々はドミトリー形式だったんだろうか。
とりあえず荷物を置くと毎度のように仕事環境の構築。簡易ではあるがデスクとチェアがあるので作業は行いやすい。インターネット接続も問題なくつながり、仕事環境はすぐに構築できる。
しばらく作業の後、本館の大浴場に入浴に行く。このホテルは各フロアにシャワー室が備えられているが、それとは別に大浴場もある。なかなか広い浴場で快適に体をほぐす。
風呂で体をほぐすと部屋に戻ってきてマッタリ。7時前になったところで夕食に出かけることにする。
夕食は久しぶりの「グリル梵」でビフカツ
じゃんじゃん横町は完全に人通りがコロナ前レベルに戻っている。「八重勝」や「てんぐ」の前には行列もできている。これでインバウンドが回復したら・・・。店の方はありがたいだろうが私はゾッとする。
夕食だが、やはり久しぶりに「グリル梵」に立ち寄りたいと考える。昼食がミックスフライだったので少し考えたが、やはり久しぶりの新今宮で立ち寄りたいと言えばここしか思い浮かばなかった。
裏通りの店は変わらず元気に営業中。入店した私が注文したのは「ビフカツ」これにライスをつける。なお店は変わっていなかったが、価格の方は変わっており、1割ほど価格が上がっている。これも岸田インフレのせいである。
相変わらず肉は柔らかくて美味い。これこそ関西の正しいビフカツ。そもそも本来は関西ではカツと言えばビフカツのことである。久しぶりのビフカツを堪能したのである。
夕食を終えると明日の朝食を買い求めてホテルに戻る。その後は構築した環境で原稿執筆・・・のはずだったんだが、とにかく体が異常にしんどくて頭が全く回らない。そこで諦めてベッドに横になる。と、そのまま意識を失ってしまったのだった。時間は明らかではないがまだ10時になっていなかった気がする。
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