神戸に到着するが、またネカフェでお籠もり
翌朝は5時半に起床、その直後に目覚まし船内放送がかかる。起き出すと昨晩の夕食用に購入していたパンの残りを腹に入れる。とりあえずの朝食を終えてから下船。結局は船内では夕食も朝食も摂らなかったことになる。
六甲アイランドで解放されるが、こんな早朝(朝の7時前)に神戸に予定はない。というか、予定はあるのだがまだ3時間近く余裕がある。と言うわけでこの遠征3回目の快活クラブに直行することに。駐車場のある快活クラブグラン六甲に入店する。フラットブースを確保するとまたもゴロゴロ。それにしても今回の遠征はとにかく予定がないものだから、快活クラブでの時間つぶしが非常に多いというかなり不毛なものになってしまった。
ブース内ではしばし仮眠。何やら遠くで咳き込んでいる奴がいるのが気になるところ。また再びコロナが蔓延の兆しとのことだが、これだけ世間が緩みきっていたらそれも当然というものである。しかも対策の陣頭に立つべき知事や市長は、選挙ばかりにかまけて政務を完全に投げ出しているし。
10時前までゴロゴロしてから店を出る。目指すは神戸国際会館。今週に上映が行われているMETライブビューイングを鑑賞したいというのが目的。駐車場は事前にアキッパで確保済みなので、さっさと車を入れると劇場へ。
METライブビューイング ドニゼッティ《ランメルモールのルチア》
指揮:リッカルド・フリッツァ
演出:サイモン・ストーン
出演:ネイディーン・シエラ、ハビエル・カマレナ、アルトゥール・ルチンスキー、クリスチャン・ヴァン・ホーン
ドニゼッティのオペラを現代劇として翻案したのが今回の演出となっている。舞台はアメリカのラストベルト。そこで没落寸前の家を存続させようと、エンリーコは妹のルチアの政略結婚を目論む。しかしルチアはエンリーコを敵と恨むエドガルドと恋仲になっていた・・・と言う物語。エンリーコの策略でエドガルドと分かれさせられて強引に政略結婚させられるルチアが、ついには錯乱して花婿を刺し殺してしまうという「狂乱の場」が有名な作品である。
しかし今回改めてこの作品を聞くと、ルチアとエドガルドの二重唱など非常に美しい音楽が多々あるのが良く分かる。またこれらを見事な歌唱で浮き上がらせたネイディーン・シエラ、ハビエル・カマレナの両者は見事としか言いようがない。
そして悪役エンリーコのアルトゥール・ルチンスキーの堂々たる圧巻の歌唱は劇全体を非常に引き締めている。本作ではエンリーコは悪党を通り越して、最早異常者の域に達しているのであるが、その異常者をリアルに表現しきっているのだから圧倒させる。
また全体を通じて重しになっていたのが、全く何の役にも立っていない神父のクリスチャン・ヴァン・ホーン。上演直前になっての急遽の代役とのことであるが、そのようなドタバタを一切感じさせない落ち着いて厚みのある歌唱であり、存在感は抜群。その堂々たる存在感と対称的に、神父の何のためにいるのやら分からないほどの役立たずぶりはむしろ笑えるところに感じられる。
本作において「ドニゼッティの音楽ってこんなに綺麗だったんだ」と初めて実感することが出来た。これが一番の収穫。それにしても凄まじいまでの「狂乱の場」だった。ネイディーン・シエラはただ者ではないということを思いしらされた。
遅めの昼食を摂ってから帰宅
これで全予定は終了、後は三宮センター街地下で遅めの昼食を摂る店を探す。入店したのは「とんかつながた園」で「厚切りトンカツの定食」を注文。
豚肉については悪くはないのだが、特別に良くもないというところで、とにかく印象の薄いトンカツであった。この店でないとという特別な魅力は皆無。
昼食を終えると車を回収して帰路についたのである。
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