連チャンコンサートのために大阪へ
今週は木金に大阪でコンサート。連日大阪と往復するのでは体が保たないので、有給休暇を取ってコンサートの連荘をすることになった。まずは木曜日は関西フィルの定期演奏会。
木曜日の仕事を早めに終えると大阪へ直行する。例によって阪神高速は渋滞だが、異常な渋滞ではなくていつもの渋滞。おおよそ予定近くの時間で通過、ホール近くの駐車場に車を置くと、とりあえず夕食を摂る時間ぐらいはありそうだ。
例によって微塵の工夫もないが、夕食は「福島やまがそば」へ。いつものようにそばセット。全く私は行動パターンが分かりやすすぎる。狼王ロボのような毎回ルートを変えるなどと言う周到さは皆無。私が要人なら間違いなくゴルゴに待ち伏せされて瞬殺である。
いつものそばを腹に入れるとホールへ。結構の人出があるようである。
関西フィル第333回定期演奏会
指揮:マクシム・エメリャニチェフ
ヴァイオリン:前田 妃奈
ベートーヴェン:「アテネの廃墟」序曲 作品113
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
ラフマニノフ:交響的舞曲 作品45
一曲目は10,10,6,5,4という変則対向型配置に加えて、コントラバスを中央最後列に配するというかなり特殊な配置を行っている。このような配置は以前にカーチュン・ウォンが京都市交響楽団で行ったことがあるが、中央から低音が突き抜けてくるという音響効果を持つことになる。
エメリャニチェフの指揮は若々しく躍動感があり、そこから引き出される音楽は実に生命感に満ちている。一曲目は小編成なこともあって室内オケ的な緻密なアンサンブルを引き出している。
二曲目のブラームスの協奏曲はソリストの前田の演奏が光る。デュメイの突然の故障による急遽の起用(オファーは3日前とか)だが、技術的に全く問題はなく、演奏に安定感がある。さすがに巨匠デュメイの代演とのことでやや気負いが見えないわけでもないが、堂々たる演奏に様々なニュアンスの含まれた音色には、あの若さにして既に巨匠の風格さえ漂い始めている。
思いがけない事態で遭遇した新星であるが、どうもとんでもない超新星だったようである。若き才能の登場は純粋に大歓迎である。
後半は13型対抗配置に編成替えしてのラフマニノフの交響的舞曲。これを若きエメリャニチェフはまさに踊るように指揮をする。その音楽は煌びやかで甘美。デュメイに鍛えられた関西フィルの弦を力を最大限に引き出した美しい演奏。かなり煽ってもいるのであるが、大音量になってもアンサンブルが崩れないのはかなり細かいバランスまで考えていることを感じさせる。
下手に演奏するとダラダラと長い曲になりかねないこの曲から、実に魅力的に多くの旋律を引き出している。デュメイ以外でここまで関西フィルのポテンシャルを最大限に引き出した例はあまり記憶になく、エメリャニチェフが若くして既に天才的なオケのコントロール能力を有していることを感じさせ、最後まで驚きの連続であった。
場内はなかなかの盛り上がりであり、他の観客も若き才能に感嘆したのだろうと思われる。帰り道で「関西フィルってこんなに上手かったの?」という声を小耳にはさんだが、それは全く同感である。今回は並々ならぬ若き才能に驚かされ続けるコンサートであった。
明日に備えて新今宮の定宿で宿泊する
明日はフェスティバルホールでのボストン交響楽団のコンサートである。今晩はこのままいつもの定宿に向かうことにする。例によって新今宮の高級ホテルホテル中央オアシスのセパレートタイプの部屋を確保してある。
部屋に入ると風呂に湯を張りながらいつものように仕事環境の構築。しかし入浴すると疲れがどっと出て、構築した仕事環境をほとんど使用する余裕のないままこの日は就寝する。
この遠征の翌日の記事