徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

姫路交響楽団の無料コンサートのために姫路に出向く

たまにはアマチュアオケも聴いてみるか

 さて日曜日だが、姫路で開催される無料のコンサートに出向くことにした。今回聴きに行ったのは姫路交響楽団というアマチュアオケ。最近建造されたアクリエひめじでの公演とのこと。スケジュールは空いているし、GWというのに金欠だしで時間つぶしにはちょうど良い。姫路なら高速を使うまでもなくガソリン代だけで行けるし。

 自由席コンサートとなれば開場前から席取り行列が出来るのが常。そこで余裕を持って開場の30分前ぐらいに到着できる予定で家を出る。途中で特に渋滞もなく、現地到着はほぼ予定通り。ホールの駐車場に車を入れるが、やけに車の台数が多く駐車場が既にかなり満車に近づいている。この時点で「?」である。何か他にイベントやってるのかなと思いながらホールに向かうと、この時点でホール前に既に行列が。とりあえず慌てて入場整理券を受け取って行列に並ぶが、結局は開場までの間にこの行列は4倍ぐらいの長さになる。

開場30分前時点でこの行列

その20分後ぐらいに気付けば、後がこの状態

 

 

 すみません。私は姫路交響楽団をなめてました。まさかこんなに客が大量に来るほどの人気だとは思ってもいませんでした。とりあえず入場するとまずまずの席を確保できるが、その後も続々と観客は入場し、30分ぐらい経って気がつけば一階席を見る限りでは巨大なアクリエ大ホールが7~8割ぐらい入っている。

開場直後はこの状態が

30分後にはこうなり

開演前にはこの状態に

 どころかさらに増えて、最終的には「1階は満席ですので、席に余裕のある2階や3階に行ってください」のアナウンスが流れる状況に。これは確実に昨日の関西フィルよりも大入りである。後は当のオケがどの程度の演奏を聴かせてくれるかである。

 

 

姫路交響楽団 第89回定期演奏会

指揮 黒田洋、永井孝和

ドヴォルザーク 序曲「謝肉祭」
エルガー エニグマ変奏曲
ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」

 1曲目は序曲「謝肉祭」であるが、初っ端からアンサンブルがやや甘くて、音がバッシャーンというような印象になってしまう。縦の線が微妙にズレているせいか、弦楽陣の音色もいささか濁りがち。大阪交響楽団がよくこういう調子の音色になりがちなのを思い出す。

 決してテンポ的には早くないにも関わらず、ややドタバタとした印象の演奏であり、そのまま最後まで全体としてのまとまりを欠いたように思われる。

 指揮者が変わってのエニグマは前曲よりはまとまりが良くなった印象はある。ただバランス的に弦楽陣がブイブイと演奏してくる管楽陣に比べると弱いように感じられる。総じて弦楽陣に人数ほどのパワーが無いのが課題である。

 後半はメインの新世界。頑張っている印象ではあるが、アマチュアオケ故の不安定さが随所に垣間見える。特にこれはプロオケでもありがちなのだが、ホルンが極めて不安定。そうとう危険な場面がいくつも見られた。また贅沢を言うなら弦楽陣にもう少し迫力と艶が欲しい。全体的に何とか演奏をこなしているという印象でまだ余裕がなく、だからか指揮の方も音楽を聴かせると言うよりも安全運転で行っているような印象がある。


 以上、総じて頑張ってはいるが今一歩のところも覗えたというところ。とは言うものの、無料のコンサートでここまで頑張っているのは見事と言っておこう。

 もっとも演奏とは別のところで「ああ、やっぱり無料コンサートだな」と感じたのは客層の問題。楽章の終わりに拍手があるぐらいはまあご愛敬だが、荷物をガサゴソする音が多く、なぜか演奏が始まった途端にバッグの中の整理を始めるおばさままで。また新世界の第2楽章の有名なメロディが始まった途端に「ああ!これ!これ!」と隣と話を始めるおばさままで。流石に歌い出す者まではいなかったが・・・。