コンサート連荘のために大阪へ
この週末は大阪方面のライブツアーである。金曜日は関西フィル、土曜日は大阪フィルの定期公演。金曜日の仕事を早めに終えるとJRで大阪に直行する。
福島に到着したのは6時頃。とりあえず入場の前に夕食を摂っておく必要がある。とは言うものの、この界隈の選択肢は少ない。結局は毎度の「福島やまがそば」に入店、「親子丼と温そばのセット(900円)」を注文する。

親子丼は美味いが量がいささか不足気味。なんか以前より量が減ってないだろうか? まさかアベノミクス物価高の影響? なおシンプルすぎるそばは味にいささか寂しさがある。

夕食を終えるとホールへ。もう会場時刻かなり過ぎているのでホールには人が多い。とりあえず喫茶に立ち寄るが、残念ながら立ち席しかない状態。あまりゆっくりできないが、腹が少し寂しめなのでアイスコーヒーとミックスサンドで一息つく。

一息つくと会場に入場。9割方は埋まっているようでなかなかの入りである。

関西フィルハーモニー管弦楽団 第346回定期演奏会

[指揮]フェリックス・ミルデンベルガー
[ピアノ]仲道郁代
[管弦楽]関西フィルハーモニー管弦楽団
メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」op.26
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 op.73 「皇帝」
フランク:交響曲 ニ短調
若き俊英ミルデンベルガーはかなりの長身の青年(2メートル近くあるのでは?)ただ極端に細長いので大柄という印象はない。スラリと言うよりもヒョロリとしたスタイル。
さてそのヒョロリとした細長い体を駆使しての指揮は、なかなかにクセのあるものである。「フィンガル」に関してはいきなりかなりゆったりのペースで丁寧に振ってくるので、「やけに穏やかな指揮だな」と思っていたら、曲調が変化したところで突然に煽る煽る。一転してかなり高速でブンブンと飛ばしだす。そう思っていたらいきなりストンとまた通常以上に速度を落としたりととにかく目まぐるしい演奏。歌わせたいと思うところでは徹底的に速度を落としてたっぷりと歌わせ、畳みかける場面では怒涛の如くにまくりまくるというかなり極端な表現である。ここまで変化が激しいとオケの方も付いていくのが大変だと思うが、ところどころ若干きわどいところはあったが、決定的な破局は起こさずに切り抜ける。
二曲目は仲道をソリストに迎えての皇帝。まあ仲道の演奏は「王道」と言って良いものだろう。真正面から堂々とした皇帝である。力強くて表現力もある。先程はかなり個性の強い演奏をしたミルデンベルガーも、ここは仲道に合わせて無難な演奏に徹している印象がある。
もっとも極めて王道で安定感のありすぎる演奏にド定番の有名曲というせいで、いささか印象薄めの演奏になった感も否定できない。まあ贅沢な不満ではあるが。なお仲道の演奏はアンコールのシューベルトのピアノソナタの方が、一癖のある曲調をひとひねりある演奏で弾きこなしており、興味深いところがあった。
休憩後の後半はフランクの交響曲。オルガン奏者だったフランクらしい重厚な曲であるが、ミルデンベルガーの演奏はかなり躍動的である。一曲目と同様に、とにかく歌わせたいところではかなりペースを落としてゆったりと歌わせてくるのに対し、展開が重なる部分では怒涛のようにまくってくる。実にメリハリの激しい演奏であるが、あまりのまくりの激しさにいささかドタバタして聞こえた部分もなきにしもあらず。
第二楽章などは徹底的に歌わせる楽章となっている。イングリッシュホルンの哀愁を帯びた旋律が実に美しい。これに対して第三楽章は変化の激しい怒涛の演奏。クライマックスに向けてまくってきたかと思うとストンと落とすなど実に振幅が大きい。いかにも若き表現意欲に満ちた演奏であると感じたが、まあ下品になる寸前のかなりきわどいバランスとも言えなくもない。好き嫌いは分かれそうであるが、これはこれで非常に興味深い演奏であるとは感じられた。同じくオルガン奏者であってやはり重厚な交響曲を描いたブルックナーなどを演奏させたら面白いものになるかもなどと思いを巡らせる。
宿泊は新今宮の久しぶりのホテルで
コンサートを終えると明日に備えて大阪で宿泊である。例によって宿泊は新今宮であるが、今日はここのところ利用が立て続いていたホテルサンプラザ2ANNEXではなく、久々にビジネスホテルみかどに宿泊することにした。そう言えばこのホテルは駐車場があるから選んでいたホテルであり、駐車場利用をしないのは初めてである。そのせいか今回は駐車場は予約しなかったのだが(ここの駐車場は宿泊予約と別途で電話予約が必要)、ホテル側が気をまわして駐車場を確保してくれていたようで、なんか申し訳ない。

部屋は見慣れたシンプルシングルルーム。ベッドは二階建てベッドをシングルに改装した代物である。デスクは機能的なのでサンプラザの洋室よりは作業しやすい。実は今回ここを選んだのはこれが大きな理由。

少し原稿入力作業を行ったが、疲労はかなり強くてこのまま寝てしまいたい気分。しかしとりあえず男性入浴時間の23時になったとこで、体を奮い起こして大浴場に入浴には行っておく。浴場内でしっかりと体をほぐす。経験的にこれをするのとしないのとで翌日の疲労に差が出ることは分かっている。

入浴を終えて部屋に戻ってくると、とりあえず原稿をザっとまとめるがやはり疲労は濃い。さっさと就寝することにする。
この遠征の翌日の記事