コンサート三連荘に繰り出す
この週末にかけては読響、大フィル、関西フィルの定期演奏会の連荘に出かけることにした。初日は木曜夜の読響。木曜の仕事を早めに終えるとJRで大阪に駆けつける。この週末は大フィルの今年度の大イベントであるデュトワの公演・・・のはずだったんだが、昨日にSNSでデュトワの体調不良のために代演との報が。思わずガックリと力が抜けてしまうところ。まあ私のような会員は仕方ないが、デュトワの演奏を聴くために単発券を購入した観客にとっては「金返せ」と言いたくなるのでは。代演は横山奏とのこと。急遽だけに指揮者の確保も大変だったろう。それにしても横山にしてもプレッシャーは大きいだろう。あまりの凡演をすれば「金返せ」の怒号を浴びることになりかねない。
大阪に到着すると、フェスティバルホールに行く前に夕食を摂っておく必要があるが、いつも困るのが食事。どうも私は大阪周辺のレストランに疎すぎる。金に糸目をつけなければいくらでも美味いものは食えるんだろうが、今はそんな贅沢は許されない立場。妥当な価格でまともなものを食べさせてくれる店を探す必要があるのだが、圧倒的に情報と機会が不足である。時間もあまりないことだし、やむなく駅マルシェの中の「えん」に入店して「カツオの出汁茶漬け(950円)」を頂く。
いつもは鯛茶漬けが多いので変化をつけたのだが、これはこれで鯛茶漬けよりも味が強くて美味い。とは言うものの、鯛茶漬けでも感じているように以前に比べて全体的に具が減っている感があり、この辺りはアホノミクス効果全開という感じである。
とりあえず夕食を終えると地下鉄でホールに直行。読響は大人気だが、今回も入場客は非常に多い。かてぃんこと角野隼斗が登場だからなおのこと女性客が多い印象。そう言えば関西フィルでも彼が出演した回は完売だった。今回の読響の公演も見渡したところほぼ満席である。なお読売テレビのカメラが入っていた。いつかテレビ放送があるんだろうか?
読売日本交響楽団 第38回大阪定期演奏会
指揮=セバスティアン・ヴァイグレ
ピアノ=角野隼斗、フランチェスコ・トリスターノ
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」から前奏曲と愛の死
ブライス・デスナー:2台のピアノのための協奏曲(日本初演)
ウェーバー:歌劇「オイリアンテ」序曲
ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容
第一曲目のワーグナーから読響アンサンブルが冴えている。各楽器の音色に冴えがあるのが読響の特徴。そのまましっとりネットリと盛り上がる演奏。ワーグナーの複雑な音の洪水は甘美で確かに麻薬的効果がある。ヴァイグレの指揮はその中で個々の楽器にアクセントなどを指示してさらに鮮明さを増している印象。
二曲目はアメリカのインディ・ロックバンドのリードギターリストであるという異色の作曲家デスナーの音楽のジャンルを超越した作品。この辺りは、同じくクラシックからポピュラーまで幅広いジャンルで活躍している角野に相通じるところがあるんだろう。
なかなかに複雑な曲であるのだが、角野がマブダチのトリスターノとピッタリと息を合わせての演奏。いかに複雑な曲であろうとも角野の技術には揺らぎがない。かなり鮮やかな演奏を繰り広げてくれた。
当然ながらそもそもかてぃんファンが多いと思われる場内は大盛り上がりである。満場の歓呼に応えての二人のアンコールでもやはり息のあった演奏を繰り広げてくれる。場内の拍手は止みそうな気配がなかったので、途中でコンマスが半ば強引に立ち上がって前半終了となる。
15分休憩後の後半はウェーバーから始まる。軽妙で色気もある曲調を、読響の弦楽陣がネットリとした音色を奏でて盛り上げる。ヴァイグレは最後までノリで突っ走った印象。
ラストはヒンデミットの交響曲的な曲。私にとっては全く初めての曲であるが、結構ブンチャカと俗なところのある曲という印象。読響の演奏は明快かつ精妙であるが、正直なところ私には曲が今一つだったというのが本音。
宿泊は新今宮の「高級ホテル」で
これでコンサートは終了。明日に備えてホテルで宿泊である。さすがにこれから帰って、また明日に仕事後に大阪まで出張ってくるのはしんどいので、今日はいつものように新今宮で宿泊する予定である。ここのところ仕事(本業である)が精神的にハードであることもあり、心身ともにクタクタなので今回の遠征は気分転換と骨休みも兼ねている。
そういうわけで今回は宿泊ホテルに少し奮発して、高級ホテルを使用することにしている。新今宮界隈の高級ホテルと言えば、私の定宿の一つであるホテル中央オアシス。駐車場があることからコロナ全盛期には車のためにコストに目をつぶって宿泊していたが、鉄道を利用するようになってからは、週末の宿泊費が特に高いこともあって永らくご無沙汰していた。しかし今回は平日である上に、会社の福利厚生での宿泊補助と溜まっていたじゃらんポイントで宿泊料はほぼ0に近い。
例によって別館のセパレートルームを確保。新今宮のホテルの相場としては、まず部屋に風呂とトイレがある時点で上級クラスであり、さらに風呂がセパレートと言うのが高級ホテルたる所以である。
部屋はシンプルだが机は広くて機能的。おかげで仕事環境の構築が非常に楽である。
仕事環境の構築が終わると、まずは入浴。大浴場のように手足を伸ばせるだけの浴槽はないが、自分のペースで自分の好きに入浴できるのは快適である。電車とホールで長時間座りっぱなしなので、思いのほかに体が凝っているのでそれをほぐしておく。
風呂からあがると夕食が軽かったこともあって途中で買い求めていたおやつを夜食に。テレビをぼんやりと眺めるが、例によって見る価値のある番組は皆無である。やかましいのでテレビを消してしまってしばしPC作業をおこなうことに。
そのうちに疲労と眠気が襲ってくる。ぼちぼち疲れが出てきたところで就寝することにする。
この遠征の翌日の記事