徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

お知らせ

アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

弥生文化博物館を見学してから、西宮で川瀬指揮のPAC。シュテファン・ドールのホルンは流石

今日は和泉まで移動

 翌朝は目覚ましで7時に起床。今日は昨日よりは早めに行動する必要があるので早めの起床。とりあえず昨日の原稿をアップしてから、シャワーで体を温めて行動開始用意。荷物を手早くまとめると9時過ぎにはチェックアウトする。

 さて今日の予定であるが、メインは15時からのPACオケのコンサート。ただしその前に長駆して和泉の弥生文化博物館に立ち寄る予定。今までここは訪問したことがない(はず)のと、何やら古事記にまつわる絵画の展覧会があるとのことから急遽立ち寄りを決定した次第。

 ホテルをチェックアウトするととりあえず朝食。近くの「神戸屋ウービー」に立ち寄ることにする。サンドイッチとコーヒーのセット(600円)を注文。

ホテル近くの「神戸屋ウービ-」

 この界隈の喫茶の常で、店内は常連とおぼしい客で賑わっている。高齢の女性が一人で切り盛りの様子だがメニューはすぐに出てくる。サンドイッチが普通に美味いし、コーヒーも私の口に合う。ここもなかなか使えそう。懸念は今後いつまで営業しているかである。本当にこの界隈は実用性の高い喫茶が多い。だからこの界隈の安ホテルはあえて朝食を用意しないんだろうが。

サンドイッチのモーニング

 

 

信太山周辺は落ち着いた住宅地

 朝食を終えるとJRで移動。紀州路快速を天王寺で乗り換えると、その際に機動力を削ぐキャリーは天王寺駅構内のコインロッカーへ。私は行動計画を立てる時は、常にキャリーを預けるコインロッカーまで事前に調査している。私は常に用意周到なのである(脳内浜辺美波が囁いている)。この細心さが本業に活かされていたら、今頃は部長ぐらいには・・・やめておこう。

 キャリーを置いて身軽になると熊取行きの普通列車に乗車する。これから30分強の電車の旅となる。というわけで今は車内でこの原稿執筆中(笑)。

 各駅ごとに車内の乗客が減少していき、半分ぐらいになったところで信太山駅に到着。ボーイスカウトとおぼしき連中が大量降車している。辺りは典型的な住宅街という雰囲気で、駅前に玉出があるのが印象的。

信太山駅に到着

駅前には庶民の味方のスーパー玉出

 弥生文化博物館までは住宅の合間を抜けて茶色に塗られた道を進めばたどり着くようになっている。この地域は大昔には遊郭があったとのことだが、それと関係あるのかないのかは定かではないが、白壁の焼板外装の巨大な和式の屋敷が多いのが印象に残る町並み。

基本的に茶色に塗装された道を歩いて行けば良い

なかなか立派な門構え

こちらも同じような形式の屋敷

長屋門になっている屋敷

 

 

遺跡公園を見学

 寄り道もしながら私の足でトボトボ歩いても10分もかからずに大きな道路に出る。正面に公園のようなものが見えるが、これが池上曽根遺跡公園らしい。ここで弥生時代の集落跡が発見されたことで、近くに文化博物館が建設されたと言うことらしい。そりゃこの辺りなんて大昔から人間が住んでいないはずがないので、遺跡の一つや二つは当然のように出てくるだろう(それでなくても古墳銀座の近くだし)。

国道26号の向かいにあるのが池上曽根遺跡公園

なんせマンホールの柄がこれの地域ですので

 入場無料のガイダンス施設もあり、中には模型や復元した葦船の展示などがある。

何となくワンダバデザインのガイダンス施設

高床倉庫の模型

公園にお約束の顔出し看板

葦船、この辺りの河川の水運に使われたか

 古墳公園にはつきものの弥生住居の復元なんかも建てられているが、いたずらされることを避けるためか柵で囲われている。まあ完全に公園だけに子供の遊具化して傷められたり、挙げ句は勝手に入って子供が怪我したとバカ親が訴訟起こしたりの危険も今時はあるから仕方ないか。また甚だしき場合はホームレスが住み着いたなんてこともないとは言えんし(まあそうなったら、いっそ地方公務員として雇用して弥生の扮装させて、弥生人として体験展示って手もあるかなと思ったり)。

復元建築は柵の中

巨大高床倉庫なども復元されている

 

 

弥生文化博物館を見学

弥生文化博物館

 遺跡を一回りしてから弥生文化博物館へ。隣で弥生時代の集落跡が発見されたからここに建設されたのだろうということはすぐに分かる。階段ホールには滋賀の小篠原遺跡で発掘された国内最大の銅鐸を、現代の技法で復元したという金ピカの銅鐸が展示されている。そう、銅鐸とは本来はこのような神々しく輝く代物だったのである。

現代技術で復元した国内最大の銅鐸

 二階の展示室で弥生文化に関する紹介がなされている。第一展示室では、タイムトンネルを抜けて弥生文化へ。

タイムトンネルを抜けると

そこには弥生人の暮らしが

 道具が石器や土器から鉄器へと進化し、農耕が発達して行く中でクニが誕生、それが交流(時には争いも)をしていく過程などが紹介されている。

石器の数々

当時の農村集落

農機具も見つかっている

集落が巨大化すると争いも起こる

クニが登場する

巫女が治める神託統治

卑弥呼の権威の裏付けにもなった銅鏡

数々の金属器

そして銅鐸

 第二展示室では先程見学した池上曽根遺跡の発掘などについて紹介。木製品や石器などが大量に発掘されたらしい。巨大な木をくり抜いた井戸の外枠には絶句。なお鉄器は見つかっていないらしく、朽ちてしまったのか、元々貴重な鉄器は他に転用されたりしたのかなどは不明とのこと。

池上曽根遺跡の出土品が展示された第二展示室

様々な出土品が並ぶ

これは建物の柱の一部

一本の木をくり抜いた超巨大な井戸の外枠

 

 

「神々の微笑・日本文化の根源を求めてー小灘一紀 日本芸術院賞受賞記念『古事記』絵画展ー」弥生文化博物館で3/16まで

特別展示室で展示中

 小灘一紀の絵画は特別展示室で。小灘の洋画は個性はやや薄いが美しい絵画。印象としては芸術志向よりも挿絵的な実用性を感じるタイプの作品。ちょうどファンタジー本などの表紙絵とかを描いてもらったらピッタリきそう。いかにもドラコンとエルフの女王なんかを美麗に描いてくれそうな気がする。そういう意味では古事記は日本の神話ファンタジーであるから、彼にとっては格好の題材とも言える。古事記は結構おどろおどろしいエピソードも多いんだが、そういうところは避けて美麗なファンタジー絵画になっているような印象を受けた。感動と言うほどのものはないが、個人的には嫌いではない。

倭建命(ヤマトタケル)

弟橘比賣命(オトタチバナヒメノミコト)

八上比賣命と稲羽の素兎

大気津比賣神(オオゲツヒメノカミ)と五穀の起源

 

 

和泉で昼食と土産物を

 弥生文化博物館の見学を終えると信太山駅まで戻ってくる。これからコンサート会場の西宮まで長駆移動する必要があるが、その前に昼食を摂る必要がある。乗り換えの大阪駅周辺で摂る手もあるが、それも面白くないし、とかくあの辺りの店は壮絶にCPが悪い。そこで和泉くんだりまで遠征したんなら、この周辺で昼食を摂ることにするのが賢明というもの。実はそのつもりで数軒既に目星はつけてあり、当日の気分で選択するつもり。そう、私は常に用意周到(以下略)。

 昨日と一昨日を思えば洋食と中華はない。というわけで今日はそばにしようと、ここから徒歩5分ほどの「手打万作」を訪問する。注文したのはざるそばときざみそば(要は刻み揚げ入り温そば)にかやくご飯をセットした万作定食(1150円)

蕎麦屋「手打万作」

 そばは細めのそばであるが腰はしっかりあって美味い。ただ私の好みから言えばいささか上品すぎる。野蛮人の私としてはもう少し野性味のあるそばの方が好みではある。かやくご飯の味付けもいささか上品。と言うものの、決して悪いわけではなくむしろ美味い方。まずまずのそば屋と言える。

万作定食

ちなみに店内に貼ってあったこれが気に入った

 昼食を終えると駅に戻ってくる。帰りの列車が到着するのにまだ10分以上ある。駅前を見渡したところ、「栄久堂吉宗」という和菓子屋が目についてビビッと感じるものがあったので覗いて見る。どうやら老夫婦が経営している店で製造は店舗の奥と考えられる。三色団子が1本110円(+税)というのは今時珍しいまともな価格(嵐山界隈なんかだったら下手したら1000円近いし、それでなくてもインバウンド全盛の昨今は300円以上が相場)。

信太山駅前の「栄久堂吉宗」

 なおこの時に買い求めた和菓子は帰宅後に抹茶を入れて頂いたが、私の直感通りなかなかに美味かった。信太山は町並みのどこかに私の故郷の長田に相通じるものを感じたのだが、その予感が正しかったか。

帰宅後、買い求めた三色団子、桜餅、栗田舎を抹茶で頂いた

 

 

 土産を買い求めたところで駅へ。帰りの電車はすぐに到着する。区間快速で天王寺に到着すると、キャリーを回収してから大和路快速で大阪へ。ここから阪急に乗り換えて西宮北口である。

 西宮北口に到着したが開演まで1時間半ある。そこで以前にも立ち寄ったことのある「珈琲館」を訪問して、「抹茶アイスと十勝小豆のホットケーキ(1枚)」を注文。しばしお茶でマッタリしながら、またこの原稿執筆(笑)。

西宮北口の珈琲館でお茶する

 ホットケーキが美味い。確かこの店は注文受けてから焼いていたはず。ホットケーキに抹茶アイスと小豆を載せて食べるとかなり美味い。なおシロップも付属されているが、これを使う局面はなし(流石に甘すぎるだろ)。

このホットケーキがなかなか美味い

 喫茶でマッタリしている内に開場時刻が近づいてきたのでホールに移動することにする。相変わらずPACは人気でホールはまずまずの入り。

 

 

PACオケ 第158回定期演奏会 川瀬賢太郎 モーツァルト&シベリウス

本日の演目

指揮:川瀬 賢太郎
ホルン:シュテファン・ドール

細川俊夫:ホルン協奏曲 ー 開花の時 ー
モーツァルト:ホルン協奏曲 第3番
シベリウス:交響曲 第5番

 

 一曲目は細川俊夫によるソロホルンの加わった幻想曲とでも言うべきか。客席内に金管奏者を4人仕込んであり、そのことによって音響が立体的になるという趣向がある。曲自体は現音系で今ひとつよく分からんが、そう奇々怪々という曲でもないのでまあ聴ける。

 二曲目はオケを8型小編成に切り替えて、モーツァルトのオーソドックスなホルン協奏曲。いわゆるモーツァルト節が随所にあって、初めて聞いてもモーツァルトの曲だというのがよくわかる曲。

 いずれもドールのホルンソロは流石に抜群の安定感。ホルンという音程の不安定な楽器(素人なら音ハズレはしょっちゅうだし、プロでもちょくちょくしでかしがある)をこれだけ正確に吹けるのは流石と言うところか。それにやはりプロの音色がアマチュアと根本的に異なるのは、音色にニュアンスを込めることが出来るところ。その辺りは流石に超一流。

 休憩後の後半はシベリウス。川瀬指揮のPACオケの演奏は、流石に若さを感じさせる力強いもの。ただいささか力強すぎるせいで、シベリウス特有の幽玄さが吹っ飛んでいる感じがあるので、そういう北欧的情緒に期待する私としては肩透かし感がある。川瀬の指揮は極めて明瞭で快活であるのだが、それがこの曲の雰囲気と合うかというといささか疑問もあるところ。PACの演奏も悪いわけではないのだが、やはりこの曲の場合は特に管楽器にもう少しニュアンスが欲しい。その辺りがややさっぱりムードになってしまった感がある。若い指揮者と若いオケの組み合わせなりの魅力はあるのだが、やはりこのプログラムの場合はもっと円熟味が欲しいところがある。

終演後のカーテンコール

川瀬もホッとした感じ

 これで本遠征も終了、帰途についたのである。

 

 

この遠征の前日の記事

www.ksagi.work