徒然草枕

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アマオケ姫路交響楽団のコンサートでメンデルスゾーンのスコットランド

アマオケの無料コンサートに姫路へ

 この日曜日はアクリエ姫路で開催される姫路交響楽団の無料コンサートに出向くことにした。姫路交響楽団はアマオケの中ではレベルは中というところだが、今回はプログラムにメンデルスゾーンのスコッチがあったことから、まあ出向いても良いかという気になった次第。

 昼頃に家を出ると姫路まで車を飛ばす。アクリエに到着したのは開場時刻の10分前ぐらい。この時点で駐車場が異様に混雑しているのが気になるが、どうやら同時に他のイベントが複数開催されている模様。姫路交響楽団のコンサートの方は、もうこの時点で数百人の長い行列が。私が最後尾に並んでからも、開場までの10分足らずの間にあっという間に100人以上の後続が。

例によって既に大行列

 開場時刻になるとゾロゾロ。開場前に数百人が既に並んでいたが、ホールの器が大きいので入場してみると一階席はまだかなり余裕があって、難なくそれなりの席を確保できる。席でこの原稿書きながら開演を待っていたら、その間に観客が増えて座席の8割ぐらいは埋まっていく。ただ以前よりは若干少ないか。その辺りは新世界とスコッチの一般的知名度の差もありそう。

 

 


姫路交響楽団第93回定期演奏会

姫路交響楽団はアマオケにしては編成大きめ

サン=サーンス 死の舞踏
リムスキーコルサコフ 序曲「ロシアの復活祭」作品36
メンデルスゾーン 交響曲第3番イ短調「スコットランド」作品56

指揮:黒田洋、永井孝和、宮本貴太

 一曲目はサン=サーンスのどちらかいえば珍曲に分類される曲。コンマスが調弦を変えた二台のヴァイオリンをとっかえひっかえで弾くという忙しい曲でもある。管楽器中心の姫路交響楽団の演奏はまずまずまとまっているし、獅子奮迅のコンマスも大活躍、煽りまくりの指揮もツボを押さえていてなかなかの演奏。

 二曲目はリムスキー=コルサコフによる華々しい曲。ただこの曲の場合にはどうしても気になるのは弦楽アンサンブルの細かい乱れ。大編成のアマオケではありがちなのであるが、どうしても大勢の弦楽陣の演奏に細かいズレが現れてしまう。それが微妙な音色の濁りになるのがやや残念。華々しくジャンジャカやるところは管楽器中心に頑張るのであるが、弱音で弦楽陣が歌うべきところがどうしても精彩を欠くので、音楽全体のメリハリが弱くなるきらいがある。決して下手な演奏というわけではないが、まあ一般的なアマオケではありがちな状況ではある。

 三曲目のスコッチであるが、この曲は特に第一楽章などは弦楽陣が切々とした哀愁を帯びた旋律で歌う必要があるのであるが、そこで先ほどの曲で現れていた弦楽陣の細かいズレに起因する音色の濁りというのがどうしても気になる。おかげで音楽がこちらに刺さってこない。アンサンブルの優れたオケの演奏だと、第一主題が立ち上がる部分なんかは、ゾワゾワと来るぐらい情緒に訴えかけてくるのであるが、残念ながらそれが欠ける。また所々で走りかけようとするオケを指揮者が抑えているように感じられる場面があり、それが全体的な不安定さにつながっていたように思われる。

 もっともアマオケとして考えた場合、決して下手な演奏というわけではない。そもそも私がこの曲にやや強い思い入れがあることから、やや点数が辛くなる部分は否定出来ない。どうしてもこのオケにさらにもう一段上を求めてしまうのである。

 拍手に答えてのアンコールはメンデルスゾーンつながりで「結婚行進曲」。華々しくも盛上がってコンサートを終えるのである。


 コンサートが終わるとこのホール恒例の駐車場ダッシュ。どうにかこうにか大行列になる前に駐車場を脱出して家路につくのである。