徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

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白鷺館アニメ棟

山形交響楽団のさくらんぼコンサートは、オッコ・カム指揮で幽玄なるシベリウス

山形交響楽団のさくらんぼコンサート

 この週末は京都方面に繰り出すこととした。ただし初日に立ち寄るのは大阪。ザ・シンフォニーホールで開催される山形交響楽団のコンサートを聴きに行く。山形交響楽団はローカルオケながらなかなかに味のある演奏をするオケである。今年は特に指揮者にオッコ・カムを迎えてのシベリウスプログラムとなったら外せないところ。

 金曜日の仕事を早めに終えると駅へ急ぐ。それにしても今週は忙しくあっという間だった印象。それだけに心身共に疲れ切っていたりする。新快速の中ではボンヤリと録画番組を見ながら過ごす。

 大阪で乗り換えると福島へ。さて夕食をどうするかだが、まだ開場までにも時間があることを考えて聖天通りをプラプラと「レストランイレブン」に立ち寄ることにする。久しぶりのディナーメニューをどうするか迷ったが「ビフカツ」を選択。

聖天通のレストランイレブン

 肉はそんなに上等でもないしいささかボリュームも不足だが、デミグラスソースで頂くと美味い。そりゃいくらでも金が出せるならもっと良い肉も食えるだろうが、2050円だとこんなもんだろう。この程度の額が今の私の精一杯。

まずはサラダ

デミグラスソースのかかったビフカツ

 

 

 満足して夕食を終えるとキャリーを引きずりながらホールへ。ホールは開場直後であったが、かなりの混雑をしている。

かなりの混雑である

 ホール内はまさに山形物産展となっている。こんなに物販部門が充実しているコンサートは珍しいところ。山形響のコンサートは万事この調子で観光PRも兼ねているのである。売り場には行列が出来ており、コンサートに加えてサクランボの購入も目的の観客が少なくない模様。

会場内は山形物産展

山形の地場企業でん六のキャラのデンちゃん

 なお本コンサートは抽選でサクランボが当たるという特典がある。私は数年前に一度当選したことがあるのだが、今回は当たるという予感が全くなく、案の定ハズレであった。ちなみに神仏や霊感の類いを一切信じない私であるが、なぜか阪神大震災の前日に予感がしたり、懸賞に当選する時には確信に近い予感があったり(実は以前にサクランボに当選した時は、チケットを買った時から「今年は当たりそうだ」という強い予感があり、わざわざクーラーバックを持参したぐらい)、などがある。もっとも当選を狙って引き寄せる能力は持っていないようなので、実はあまり役に立たない(笑)。その結果、私自身はくじ運の悪さを痛感している。命に関わるような不運には出くわさなかったが、栄達や成功の運には全く恵まれないままに今日に至っているわけである。

 混雑する売り場を横目に私は喫茶に直行。ケーキセットでマッタリと堕落の一時を過ごす。人間、堕落するのは簡単でなかなかそこから抜け出せないものである。貧困にあえいでいる現状を考えると、こういう堕落を真っ先にリストラする必要があるのであるが、それでは日々の仕事で削り尽くされている精神の方が持たない・・・。

喫茶で送る魅惑の堕落タイム

 

 

 物販コーナーの方はさらに盛り上がっており、謎のキャラクターも登場。ずんだ?と思ったが、それだと山形でなくて仙台だし・・・何のキャラか聞いたところ、山形県のキャラクターで横顔が山形の形になっているとか。そう言われて初めて納得。

いよいよ盛り上がっている物販コーナー

謎のキャラクターが闊歩

横顔が山形県の形と言われてようやく納得

山形県

 開演前にはしっかりと観光宣伝を兼ねたプレトークあり。でん六のキャラクターのデンちゃんも登場するが、足がかなり短いので歩くのが大変そう。

 ホールはオルガン席と3階席には観客を入れていないザ・シンフォニー中ホール構成。ただ座席数を減らしているといっても、空席はほとんど見当たらない。まずまずの入りである。

 

 

山形交響楽団 さくらんぼコンサート2025 大阪公演

[指揮]オッコ・カム
[ヴァイオリン]神尾 真由子
[管弦楽]山形交響楽団

シベリウス:鶴のいる風景 op.44-2
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47
シベリウス:交響曲 第2番 ニ長調 op.43

 一曲目は非常に美しくて幽玄ないかにもシベリウスらしい曲。山形響は規模の小ささを活かしてまとまりの良い美しいアンサンブルを奏でる。ザ・シンフォニーホールの音響も効果を発揮して音量不足は全く感じさせない。

 一曲目が終わると神尾が静々と入場してそのまま協奏曲に突入。もうこれは神尾に圧倒される。第一音からその深さにグッと掴まれる。とにかく表現の幅が広くて、様々なニュアンスをその音色に込めることが出来る。非常に情感豊かな演奏だが、よくある溜やら揺らしを多用するタイプの演奏ではなく、その辺りはむしろオーソドックであるのであるが、純粋にその音色とダイナミックレンジの広さで多彩なニュアンスを込めることが出来るという神尾ならではの名人芸が炸裂している。それが北欧に対しての共感のあるオケと指揮者をバックにうっとりとするような風景を展開する。私はしばし陶酔して音楽に没入していた。

 比較的長め曲であるのだが、没入している内にあっという間に終わったという印象。歓呼に応えての神尾のアンコールはパガニーニだが、ここで例によって神尾がその神業的テクニックを遺憾なくアピールする。流石に日本ヴァイオリニストの第一人者である。

 後半はシベリウスの2番。山形響は10型の2管編成ということで、バランス的にはやや管上位のところがあるが、それにしてもかなり鮮明にバリバリと演奏するという印象。カムも北欧音楽らしくそこは少し抑えてくるかと思っていたが、意外に元気よく吹かせているように感じる。

 しかし元々北欧に対してシンパシーのあるオケ(山響レジェンドの村川千秋氏は北欧ものが得意)にフィンランド出身のオッコ・カムの組み合わせであるから、それでも北欧情緒が失われることはない。音楽が幽玄さを含みつつ鮮烈という印象。

 カムの指揮は全休止のたびにやや長めの溜をとるし、細かい揺らしもある。そこをしくじったら演奏が崩壊の危険があり、正直なところ危ない局面も全くなかったわけではないが、オケと指揮者が一体感を持って突っ走った印象。結果として非常に感動的な演奏となったのである。

一仕事終えた山形交響楽団

カムにもやり切った感がある

 

 

明日に備えて京都で宿泊

 コンサートを終えると京都まで移動する。明日は朝一から京都で活動するので、京都で宿泊することにしている。宿泊するのは九条のユニバーサルホテル。大浴場もあって宿泊料もまずまずのホテルで、朝食はともかく夕食もついているというのが一番の特徴。もっとも夕食時間は21時までなので、私のチェックイン時にはとうに時間を過ぎている。

京都ユニバーサルホテルはローソンと隣接

 禁煙のシングルルームに入ると、まずは最近は習慣になっているトコジラミチェック。ここの部屋はソファまであるから要注意だが、目視ではベッド回りもソファ回りも大丈夫そう。とりあえずトコジラミ除けスプレーを散布しておく。

 部屋のチェックが終わると仕事環境構築。やや狭っ苦しさはあるが何とか機材を並べるとしばし原稿作成。Wi-Fiがやや遅めなことが気になるところか。高速回線を導入したことを謳っているが、部屋数が多いのでどうしても限界がある。

仕事環境構築

 一息つくと大浴場で入浴する。今日は暑かった。かなり汗をかいているのでそれを流してサッパリする。風呂から戻ってくると、先ほどのコンサートでお土産としてもらったサクランボを頂く。甘酸っぱくて実に美味。

お土産のサクランボは実に美味

 疲れがドッと出てきだしたところで、この夜は就寝する。

 

 

この遠征の翌日の記事

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