徒然草枕

クラシックのコンサートや展覧会の感想など、さらには山城から鉄道など脈絡のない趣味の網羅

お知らせ

アニメ関係の記事は新設した「白鷺館アニメ棟」に移行します。

白鷺館アニメ棟

大阪フィル定期は新鋭ダンカン・ウォードによる春の祭典

週末遠征に出かける

 この週末は三連休だが、ここは関西を駆けずり回るコンサートツアーに出かけることと相成った。初日の金曜日は大阪フィルの定期演奏会。金曜日の仕事を早めに終えると大阪に直行。

 夕食を摂っておく必要があるが、この異常な暑さの中で食欲はかなり減退気味。そこで夕食を何にするか迷った結果、大阪のエキマルシェの「博多一幸舎」でラーメンを摂ることにする。駅マルシェ内の店舗だが入り口が外部にしかないせいか、客の入りはイマイチの印象。

駅マルシェの外側にある「博多一幸舎」

 注文したのは「醬油豚骨のチャーシュー麺(1200円)」。細麺で硬めの典型的な博多ラーメンであるが、いささか塩っぱすぎるのが気になる。普通に麺を食べるにはまあ良いし、チャーシューも柔らかくて美味い。ただスープは塩っぱすぎて口を付ける気にはならない。なお通常量だとややボリューム少なめ。CPは良くはないが、まあ場所柄を考えると仕方ないか。それにしてもラーメンも普通に1000円を越えるようになった。これも30年の大失敗自民党政治の集大成と言える安倍の愚策のせい。

醤油豚骨チャーシュー麺

博多ラーメンらしく細麺

 夕食を終えるとホールへ。ホールに到着するとまもなく開場。ここでちょっとしたトラブルがあったのであるが、何とか問題なく入場できる。入場すると喫茶でアイスコーヒー&高級サンドイッチ。毎度言っているが、ここの喫茶は高いのに座席がないというのが不満。疲れている場合にはくつろげない。

アイスコーヒー&高級サンドイッチ

 一服すると入場。入りはあまり良くはないと言える。ザッと見渡したところせいぜい6~7割というところか。知名度の低い若手指揮者に曲目も今ひとつ目玉がないというところが影響か。それに三連休はどこかに外出してしまう者も少なくなかろう。

本日の出し物

 

 

大阪フィルハーモニー交響楽団 第590回定期演奏会

ハイドンは12型、後は16型でハルサイは5管にまで拡大する

指揮/ダンカン・ウォード

曲目/ハイドン:交響曲 第102番 変ロ長調 Hob.I:102
   ドビュッシー:舞踊詩「遊戯」
   ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」

 

 ウォードはイギリス出身の37才の若手の新進気鋭だとか。年齢の割にはベルリンフィルを振ったりなどかなり蒼々たるキャリアを積んでいるという。日本のオケとの共演は数年前に新日フィルとの共演以来今回で2回目とのこと。

 一曲目はハイドンの102番という変化球。ハイドンの最晩年の交響曲になる。ハイドンの晩年の曲となるとロマン派的要素の萌芽が見られるので、そういうところに焦点を当てた演奏が最近は一つのトレンドとしてあるが、ウォードの演奏は12型編成ノンビブのやや淡泊なものであり、いわゆるロマン派アプローチとは異なるようである。

 しかしながらこれも一つのトレンドのピリオドかと言えばそうでもない。淡泊な音色ながらもメリハリはしっかりと付いた色彩的な演奏であり、この辺りは古典よりも現代的である。そういう点から何となく折衷的な空気を感じる。

 二曲目は16型にオケを拡大してのドビュッシーという近代音楽。ウォードはどちらか言えばこちらの方が本領というように感じられる。ドビュッシーらしいキラキラした音楽を、多彩なオケの音色で聞かせる。まとまりは良く、可も不可もない演奏と言うところ。

 後半の三曲目がメインとなる「春の祭典」。初演時には物議を醸した今や20世紀を代表する音楽である。まさに野生の雄叫びという曲であり、ウォードもメリハリの強い色彩感の強い演奏を繰り広げている。

 ただここで少々引っかかるのはイギリス人指揮者にありがちに思われるのだが、妙に上品にまとまっているところがあること。野放図に雄叫びを上げるのでなく、そこに一定の節制が効いており、グイグイと乱暴に迫ってくるイメージがない。謂わば猛獣ではあるが野生の猛獣でなく、動物園の猛獣なのである。観察しやすく分かりやすいが荒々しさに少々欠ける。それ故に私のような野蛮人には今ひとつ響いてこないという感が残ってしまう。

 ジャンル的には後半の近代音楽の方が本領に思われたが、むしろ最初のハイドンの方がこれぞクラシック芸術という高尚さでまとまっていたようにも感じられる。とりたてて難のない指揮者なのであるが、強烈な個性も見えないし印象も薄いというところがある。

 

 

 コンサートを終えると移動。明日は京響の定期演奏会に出向く予定なので、今日は京都で宿泊することにしている。確保したのは京都での定宿の一つの京都ユニバーサルホテル。朝食・夕食付という変わったホテルだが、残念ながら流石にもう夕食時間は終わっている。

 ホテルは地下鉄九条駅からキャリーを転がしながらしばし歩いたところ。この工程、決して長い道のりでもないんだが、とにかく人通りがないうえに真っ暗なので、この時間帯にトボトボと歩いていたら結構精神に来る。これがこのホテルの一番のハードル。

ローソンの隣がユニバーサルホテル

 ホテルにチェックインすると今回は7階の部屋。こんな高層階は初めてである。とはいうものの部屋の間取りはいつもと同じ。例によってまずはベッド回りを中心にトコジラミチェックをしてから、トコジラミ除けスプレーをベッド回りと荷物に吹きかけおく。

部屋の構造はいつも同じ

 一息つくと隣のコンビニで仕入れた夜食を腹に入れ、先ほど構築した仕事環境を起動してしばし原稿作成。

直ちに仕事環境を構築

 すぐに夜中になってくるのでとりあえず大浴場へ。今日もくそ暑い中での行軍なので頭から汗まみれである。とにかく汗を流してサッパリとしてから体をほぐしておくことにする。

 部屋に戻るとしばし原稿執筆作業の後、疲れたところで就寝する。

 

 

この遠征の翌日の記事

www.ksagi.work