徒然草枕

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青天を衝け 第24話「パリの御一新」

コンパクト維新があっさりと進行してしまいました

 あのろくでもないオリンピックのせいでしばし放送が中断されての再開。そのためか最初は1分ほど「これまでの経緯」が軽く流されて本編。

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 さて今回のタイトルの「パリの御一新」だが、これはまさに、栄一達がパリにいて何も出来ない間に明治維新が終わっちゃいましたよとお話。大政奉還も鳥羽伏見の戦いでの敗戦も、そこからの慶喜の逃走もすべて台詞だけで片付けられてしまうと言う「ナレ維新」。もしかしたらあり得るとは思っていたが、本当にやってしまった。やっすい維新だな。恐らく歴代大河ドラマでの明治維新の中では予算最低(笑)。コンパクト五輪は嘘八百だったが、大河はコンパクト維新を実現してしまった。

 栄一が憤慨しておりましたが、慶喜の単独での逃走は今でも「一体何を考えていたんだ?」と謎扱いされているところですから、まあ理解は無理でしょう。結局のところ慶喜は、最後の最後まで部下から見た時には「何を考えているのか分からない上司」だったわけです。慶喜は慶喜で「自分の考えが分かってくれる部下が誰もいない」と感じていたようですが。まあ頭の悪い人ではなかったようですが、明らかに説明不足ってのはあったようです。頭の良い人に往々にしてありがちの悪癖です。周りに自分の意図を説明するのが面倒臭くなるんでしょう。しかも周りには打てば響くような奴がいなかったし(何しろ側近は次々と内輪で暗殺されるんだから)。

 

完全に商売人になりきっている栄一だが、嫁は攘夷派だった模様

 憤慨しつつも栄一は当座の資金調達に走り、そこでフランスの証券市場(合成撮影があまりに安すぎたが)を知って「これぞ自分が求めていたものだ」と盛り上がっています。結局のところ彼は武士ではなくて、心底商売人だったってこと。武士の誇りなんて邪魔としか思っていなかったからあっさりと髷も切っちまったのだが、その写真を送ったらお千代が「あさましきお姿」ときたもんだ。あれだけ嫌っていた異人と同じ格好をするとはってことのよう。どうやら栄一よりもお千代の方が余程筋金入りの攘夷だったようだ。なるほど、栄一がテロリストを目指した時に反対しなかったわけだ。旦那を死地に追いやってどうするんだと思っていたが、むしろお千代の方が強硬派だったか(笑)。お千代からの手紙を読んだ栄一は「そういや、武士の誇りなんてもんがあったっけ?」てな感じだろう。あの笑いは苦笑いか。お千代が舞踏会で鼻の下を伸ばしていた栄一を見たらどう言っただろうか?

 

そして平九郎には死亡フラグが立ちまくり

 で、従兄弟の成一郞と馬鹿兄貴はどうやら幕府派について戦った模様。見立て養子の平九郎もそれに付いていきます。成一郞は最初はそもそも上野の彰義隊の代表になっていたはずなんだが、それがなんやかんやの経緯で外れることになってしまって、結局それで命を拾うことになります。一方の平九郎はというと幕府方として最後まで新政府軍と戦って華々しく散ってしまったようです。今回、サラッと派手に死亡フラグが立っておりましたが、どうやら次回に正式にご臨終の模様。ハッキリ言って栄一のせいで不幸になってしまった可哀想な人です。

 結局のところバリにいた栄一達はヤキモキしたり、ぶち切れて叫びまくったりしてましたが、何も出来ない。川原を歩きながら民部公子に潤んだ瞳で「水戸に付いてきて欲しい」と愛の告白をされてましたが、栄一は振ってしまったようです。「私には慶喜様がいます」ってところでしょう(笑)。まあ実際に帰国後しばらくは慶喜の元で雑用やっていたようです。

 で、さすがに江戸幕府が滅んでしまったら家康様の出番はなくなったか。まああの北大路欣也の無駄遣い、全く意味なかったですからね。

 

ここまでの話って、結局ほとんど不要だったね

 ようやく話が動き始めたというところで、実際にこのドラマ、今までの分は総集編でザッと流して今ぐらいから見始めた方が正解なんじゃないかな。ここまで無駄に長すぎてダレまくっていたから、そこで落ちた者が少なくないと思う。実際に私がこのドラマを企画したら、ここまでで費やすのはせいぜい10話が最大。ハッキリ言って少年時代の話は全く意味がないので全面カットです。お千代との話ももっとあっさりとさせて、一橋家に仕官してからの話にもう少し割いて、このパリでの話はもっとじっくりと描きますね。どうも話数を割くべき場所を間違っているという気が強烈にする。

 

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